column

2017.8.16

Vol.03

デザインができるまで

タルタルガの靴はすべてオーナーである松本自身のオリジナル。若い頃は大手靴メーカー数社のデザインを手がけた経験もあります。そのデザイナーとしての原点は、生家が1891年創業の時代の先駆けをゆく靴屋であった事と、靴を学んだイタリアで大きな刺激を受けた事にあります。20代から年に2~3回30年余り出向いたイタリアとフランス、その中で本物に触れ洗練された美意識を磨いてきました。

見て美しいだけでは靴の用は果たせません。でも足が楽な靴であればそれで良いか・・というとそれも違います。履いて美しい事と、靴の機能を果たせる事。デザイナーとしては難しいせめぎ合いの中で、機能美を追い求めています。靴は小さなポジションでありながら、履く人の内面まで見えるような感じがします。
そして、ファッションの重要な仕上げのアイテムでもあります。

木型にデザインラインを入れるのに、今でもかなりの時間をかけます。
1度描いて角度を変えてみて、少し経って再度見て、消しては描いて・・繰り返す中で見えてくる彼の中の納得のライン。タルタルガの靴は、松本自身が培ってきた経験と時間、その全ての表現であると考えています。

頭の中のデザイン画をベースに木型に直接ラインを描いていきます。この木型に描かれた線を元に型紙が作られます。

型紙を元に実際に履けるファーストサンプルが出来上がってきます。そのサンプルに対してデザイナーの松本含めみんなで意見交換。それぞれの専門知識を出し合いその場でどんどんブラッシュアップしていきます。

ベルトの幅を太くするか検討中。実際の見た目を確認するためにひとまず黒い画用紙でチェックしています。
タルタルガでは日々よりよい靴を提供できるよう、試行錯誤しています。

column