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2018.6.24

Vol.06

微調整の精度

tartarugaでは足の採寸を頂く基準を半年としています。それ以上期間の空いた場合は新たなデータを頂きます。
サンプルの靴をお履き頂き違和感の有った場合、その採寸値を元に『微調整』を木型に施してゆきます。
1足2足…とお作り頂いているお客様とは以下の様なやり取りがなされたりします。

例えば…
H様(東京在住 20足以上ご愛用) 「前回のNo.〇〇〇の素材を変えて作りたいと思うのですが、長時間履いているとどうもここ(くるぶし下を指して)が擦れて痛んできます。何か方法は無いですか?」
tartaruga(甲革製作者) 「わかりました。ではそこに使う芯を柔らかい物に変えておきます。そうしたら大分感じが違うはずです。」
H様 「有難うございます。では他は前回通りの調整でお願いします。」

あるいは、
M様(大阪在住 30足以上ご愛用)
「大好きなT81の8㎝ヒール、長年履いてきて快適だったのですが、最近どうもここの神経?(親指上側)がピリッとするときがあるの…どうしてかな…?」
tartaruga 松本 
「ちょっとやってみます。うまくいくかどうか確信は無いですが。やらせてください。」
若い時からしっかり足を使っておられた方なので、ハイヒールを常に履くことを難なくされてはいましたが、松本は足裏の横のアーチの再生を助ける小さなパットを入れてみました。
M様
「え!? 痛くないわ!! 当たらないわ! 他のも持ってきても良いですか?」
tartaruga 松本
「どうぞ、いつでも。」

これは採寸値では見えないお客様の体感の部分。でもそれも話していただければ、対応策はいくつかあります。
そうすることで、前回よりも履き心地の良い靴をお作りできたら、双方にとって満足度は高まってゆきます。

個々の調整内容は写真に撮りオーダーシートに添付し、次回に生かせるように工夫を致しております。
「まるで、病院のカルテの様ね。」と言われたお客様もおられますが。

私たちはお客様から頂く『履き心地のフィードバック』をとても有難いことだと思っています。それはもちろん調子良くいく時ばかりではありません。特に初回は難しさもあります。
でも、様々なフィードバックの中に重要な『気づき』が隠れていると思っているからです。

お客様お一人お一人にとってのtartarugaの靴の履き心地が、常にバージョンアップ出来ることを願っています。

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